phaさんのギークハウスZEROの記事を読んで、自分なりの理想の暮らしをイラストにしてみました。
それは「ギーク小屋」です。
簡単に書くと、
「風呂トイレ、リビングなどがある小規模な平屋の建築物の周辺に、これまた小規模な小屋を複数建てて、それぞれがゆるやかに独立した生活を営む」ということ。
●概要図
●目的
これは、よくあるシェアハウス的な「みんなでわいわい暮らしたい」、ギークハウス的な「趣味の合う人たちでゆるく暮らしたい」というよりも、「自分が建てた小屋で、自分のペースで暮らす」にはどうしたらいいか、ということを前提、念頭に置きました。
私にとって、自分で小屋を建てて暮らして居る人たちは、それぞれ何かしら目的があって建てているという認識です。目的から手段、それらが具現化された小屋は、それはもう体の一部、体をつつむ皮膚と言っていいかもしれません。寝太郎さんがかつて書いていた「自分の小屋のマニュアルは自分しか知り得ない、自分の小屋での生活に関しては自分が一番のプロだ(完全なうる覚え)」みたいなことに自分はとても共感を得ました。自分で建てた小屋はもう自分の体の一部みたいなもの、というよりいわば胎内のようなものかもしれません。もちろん愛着もあります。
自分のペースで暮らすという点は、主に家賃のことです。現代において、家賃は自分の収入とほぼ同意語のような気がします。自分のペースで働きたいけど収入にあった家賃が見つからなかった場合、仕方なく実家で暮らすか、バカ高い家賃を我慢して払うしか無い。そこを解消したいなと思っています。
●メリット
1.建築確認申請をクリア
そもそものアイディアの発端は建築確認申請についてでした。
都市計画内に指定されている地域では、更地に自由に建築物を建てることは法律上、できません。しかし、すでに母屋などの建築確認が通っている建物と同じ敷地内であれば、増築という扱いで10平米(約6畳)までなら自由に建築することができます。
10平米以下の増築の繰り返しには規制がありません。
2.風呂、トイレ問題をクリア
また、小屋暮らしを試みている様々な人たちに話を聞くと、素人が小屋を建築することは難しくないものの、一番の難題はやはりトイレと風呂と聞きます。素人手で作るにはさすがに難しいし、小屋に下水道引くなんてお金もかかる。やっぱり暖かいシャワーが浴びたい人もいるでしょう。
だったら、みんなで母屋がある土地を買うなり借りるなりして、風呂とトイレを共同利用すればいいじゃないか、と思ったわけです。
そもそも、風呂やトイレを個別に持つなんて贅沢すぎかなと思います。整備されたワンルームで暮らしていても、風呂やトイレに滞在、利用している時間なんて本当に微々たるものですし、そのスペースにも家賃を払っていると考えるとちょっと馬鹿らしいなと思ったりします。
3.自由な小屋が建てられる
自由に建てられる建築物は10平米まで。つまり6畳です。狭いと思われるかもしれませんが、だいたい一人で暮らすには特別な理由がない限りそこまでスペースはいりません。ベッド、テーブル、本棚ぐらいあれば十分じゃないでしょうか。趣味がある人も存分にその6畳を使えます。音楽を演奏したり聴くのが好きな人は徹底的にこだわった防音小屋を作ればいいと思うし、絵を描くのが好きな人はそれはもう壁じゅうがキャンパスです。テーブルだけ置いて閉じこもって文章を書きたい人がいてもいいと思うし、気合いが入ってるカップルなら二人でひとつの小屋でも大丈夫でしょう。誰も邪魔しません。もちろんもっと狭い空間が好きな人は1畳の小屋でもいいし、そもそも建てるのが面倒な人はテントでもいい。
なにせ風呂とトイレのスペースが必要ないので自由に空間がつくれます。
4.電気、水道について
水道も母屋からポリタンクに汲んでくることも可能です。キッチンは母屋にあるものを使ってもいいし、それぞれ各小屋にガスコンロを置いてもいいですね。(排水はどうしよう??)
みんな大好きインターネットは母屋からWi-Fi飛ばせば十分でしょう。
5.一人になれる
これはもう一番のメリットかもしれません。シェアハウスやゲストハウスで一番辛いのは、完全に一人になれる場所を確保するのが難しいことです。それは心理的な距離感とかじゃなく、物理的な空間の取り方のことです。
神経質になっちゃうと、誰かがいる気配とかも嫌になるし、生活音ひとつとっても気が滅入ってきます。でもギーク小屋だったら自分の小屋に引っ込んでしまえば大丈夫。同じ屋根の下でギクシャクした人間関係に煩わされながら暮らすより、それぞれが独立した小屋で暮らす方が自由度があっていいかなと思います。
SNSでも実生活でも、なんでもかんでもやたら「つながり」を求められがちな面倒臭い昨今ですが、自分には「ゆるいつながり」より「ゆるやかな独立」のほうが魅力的に思えます。それで、もし一人で寂しくなったら母屋のリビングで誰かと茶でも飲んでりゃ気が紛れますよ。
●デメリット
以上、メリットを長々書きましたが、それ以上にデメリットはたくさんあります。
例えば
・シェアハウスのように簡単に出ていけないとか(出て行く人がバラして次に建てたい人が建てるときの廃材にすればいい?)
・一人じゃ小屋を建てるのが難しい(みんなで手伝えばいいんじゃないか)
・複数人で暮らすと、管理が大変(それぞれが信頼関係を保てれば案外なんとかなる)
・喧嘩したら?(殴り合えばいいじゃないか)
・ルールを破るやつがいる(ルールなんて作らずに、その都度話し合えばいい)
みたいなデメリットもあるけど、みんながいろいろ考えればいいんじゃないかな。
ただ、どうにもならない一番の問題が、そんな土地どこにあるの?ってことです。
借りるにしても、買い取るにしても便利な都市部には無さそう。
母屋がデカけりゃ固定資産税が高いし、借りても自由に小屋を建てられる庭がある家なんてあるのか。
自分の小屋はいつでも解体できるようにしているので、いつでも動けます。
アメリカではシンプリーハウスコミュニティと呼ばれる、広い土地と母屋を利用して、ゆるやかな独立した生活を送っているコミュニティがあります。
知人が製作したショートドキュメンタリーがあるので、リンク貼っておきます。
simplife #03 / Simply Home Community (字幕あり)
https://vimeo.com/141640543
公式ウェブサイト(英文)
http://www.nichedesignbuild.com/
ネットで見つけてちょっと気になってる物件がこれですね。見学までは出かけてませんが。
返信削除ただ、広いけど不便ではあるかな。
http://www.inaka-gurashi.co.jp/bukken/toti/hukugo/04007.html
母屋がないですね??
削除建築物(母屋)を作ってしまうと、土地が宅地扱いになって、広い敷地だと固定資産税がたいへんなんじゃないでしょうか。結局経済の問題からは逃げられない??
返信削除税上、建築物であるなしに関わらず住居として認められれば、宅地の1/6の軽減措置が受けられます。
削除私の小屋は、住居、宅地としてのとして認められず、軽減措置が受けられないので雑種地として逆に高くなっています。
住居として認められるには、台所とトイレが必要だったような…うろ覚え。
建築物かどうかは建築基準法。税上は居住の実態があるかどうかです。ここを勘違いしやすいです、、、
doesnt sound geek...sounds so cool!
返信削除ヨー、メーン!
削除こんばんは。面白い構想ですね。
返信削除横から失礼します。
住宅用地の特例は、床面積の10倍までしか適用されません。
10m2の小屋だと最大で100m2までです。
特例の恩恵を受けるために住宅としてしまうと、上モノの固定資産税が掛かるようになってしまうのがネックです。
ですので、10m2の住宅をいっぱい建てて適用面積を広げるか、物置扱いの小屋を密集して建てて、そこの区画だけを雑種地扱いで分割評価してもらうなどの手段が考えられます。
自分の記事で恐縮ですが、参考までにURLを貼っておきます。
http://diary.karaagetankentai.com/2014/10/21/145326/
アドバイスのコメントありがとうございます。
削除10倍までの件、存じておりますが、母屋がある場合については固定資産税がすでに確定していると思います。また、そこへ10平米以内の増築をすれば当然それにも固定資産税がかかってきます。
小屋にかかる固定資産は月々に換算すると微々たるもので、私はそれぐらいなら払ったほうがいいのではないかと思ったりします。もちろん母屋への固定資産税も住人で割ればいいと思います。
今回は節税以前に風呂トイレがあって、そこで無理せずに複数人が独立して住むことを念頭に置いて書いたものです。
節税の方法に関してはからあげさんにはかないません!
今でかい小屋みたいな別荘を使っているのですが、大人数で泊まるとトイレが二つしかないのがやや問題になります。なので、風呂はともかく、トイレは複数の設置が平和な共存のために重要かな、と(笑)
削除大地がトイレだ!
削除同じアイデアでビックリした!
返信削除諸問題は残るが「区画された土地」が
既にあります。
場所は三重県にありますが、
一定数の「入植者」が集まれば
具現化する事は容易です。
土地はあるが人がいないので
プランが止まったままになっています。
興味あったらメールください。
try_odec@yahoo.co.jp